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【大相撲】力士の大型化が招いた弊害

力士が全般的に大型化してきたのは、いつ頃からだろうか?

 

おそらく、ハワイ出身の力士が増えてきた1990年代初め頃からなのではないかと記憶している。

 

あの頃、「小錦」や「曙」、「武蔵丸」などが上位にいて幅を効かせており、それに対抗するため、割と細身だった「貴乃花」までもが体重増加に躍起になっていた。

 

そうしないと互角に戦えなかったからだろう。

 

しかし、それによって内臓疾患に罹患してしまったり、故障がちになってしまい、力士生命を縮めてしまったという事実も否めない。

 

連載 名力士ライバル列伝】 横綱貴乃花編 最大のライバル、横綱曙太郎 | BBMスポーツ | ベースボール・マガジン社

 

プロ野球でも、あの清原がそういった大型化を目指してしまったために、確かにパワーはついたのかもしれないが、体重増加による膝への負担が増加し、晩年は故障に悩まされたという道筋を辿ってしまった。

 

確かに、大相撲では特に体重が多い方が有利という面があり、単純に重い方が押されにくく前へ出る圧力も増加するため、太ることに躍起になっている力士も多いのだろう。

 

力士の生活自体が太るためのプロセスのような面があり、朝は何も食べずに稽古し、昼に一気に食べて、すぐに昼寝するというサイクルを繰り返して体重を増やしていくそうだ。

 

その方が栄養が吸収されやすく、筋肉も脂肪も付きやすいため、昔から考え出された力士独特の生活サイクルなのだろう。

 

しかし、最近は頓に不要な体重増加による大型化が目に余る状況なのではないだろうか?

 

どの力士も大体150~170kgぐらいが普通の平均化しているような状態であり、中には200kgを超えてしまっている力士もいる。

 

そのような体重でぶつかり合うため、故障の危険性が高まっており、やはり特に両膝への負担が大きくなり、膝を怪我する力士が多いようだ。

 

単純に重くなればその負荷は両下肢に懸かる事になり、特に可動性の高い膝関節は半月板や前・後十字靭帯で支えられている状態のため、体重増加で故障しやすくなる箇所である。

 

照ノ富士」しかり、「宇良」しかりである。今場所も「阿武咲」が膝の故障で休場してしまった。

 

 

膝にサポーターやテーピングしている力士が多い事からも、体重増加が影響している事は明白である。

 

相撲の取り組み自体も全般的な力士たちの体重増加により、大味で雑になっているような気がしてならない。

 

昔のように四つに組み合っての攻防の妙が少なくなっており、ただ単純に重い同士のぶつかり合いの単純な競技になっているのではないか。

 

物理学の例を出すまでもなく、重みのある物体が支え合えば、その反力でバランスを崩しやすくなるのは目に見えており、叩き込みや突き落としなどの決まり手が増えているのは、この体重増加によるものなのではないか。

 

重いモノがつっかい棒を外されれば、ものすごい勢いで倒れていくのは自明の理である。

 

押していってフッと力を逃がしてやれば、大木は勝手に倒れていく。

 

これが、「引き落とし」や「叩き込み」の原理なのだが、最近の力士はこういった相撲を取る事が多くなった気がするのだ。

 

それも作戦の一つで、相撲の醍醐味と言ってしまえばそれまでなのだが、、、

 

力士の大型化の弊害のような気がしてならない。

 

体重も120~130kg前後ぐらいが動きも良くて反応もしやすいのではないかと思うのだが、、、

 

全般的な体重増加傾向により、昔よりも怪我をする力士が増加し、相撲が大味で単純化してしまうという大相撲の悪しき潮流のようなものを感じざるを得ない現状を憂いているのである。

 

 

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