【学校Ⅱ】
1996年10月19日(土)公開の日本映画。製作は松竹・日本テレビ放送網・住友商事。芸術文化振興基金助成作品。文部省選定。
高等養護学校を舞台に、重い障害を持つ生徒と軽い障害を持つ生徒の交流・葛藤、就職問題等を入学から卒業までの、3年間の出来事を描いた作品。
1996年公開の「学校シリーズ」第2作。
養護学校を舞台にした珠玉の感動作である。
1997年の日本アカデミー賞優秀作品賞を受賞している。
■あらすじ
竜別(りゅうべつ)高等養護学校では、様々な障がいを持つ生徒たちが寮生活を送りながら教育を受けている。2年前この学校に入学してきたのは、いじめに遭って以来一言も話さなくなった高志や言語障害と歩行障害がある佑矢たち。彼らを受け持つのは、クラス担任の竜平とそれをサポートする玲子、それに新人教師・小林の3人。佑矢は特に手のかかる生徒で、すぐに暴れ回るため小林はつきっきりでその対応に追われる。竜平たちは長い月日をかけて生徒との関係を築いていく。しかし3年生になった高志はある日、佑矢を連れて「買い物へ行く」と寄宿舎を出たまま失踪する。
この作品も西田敏行が演じる竜先生こと「青山竜平」がいい先生なんですよね。
どの生徒にも分け隔てなく愛情を注いでいて、佑矢に苛立って暴言を吐く若い小林先生を諫める。
障害を持つ子供たちの目線に立って考える温かさがあるんですね。
軽度の知的障害のある「高志」は、高志を兄と慕う「佑矢」を連れ出し失踪してしまう。
安室奈美恵のコンサートを見に行くのが目的と思われたが、養護学校を卒業しホテルで働く先輩を訪ねるのが本当の目的であった。
そこで先輩の話を聞き、社会の冷たさや生きづらさを目の当たりにし絶望を感じる。
就職したクリーニング工場でいじめのような目に遭い、迎えに来た竜先生に発作のように感情を爆発させて訴える高志。
「佑矢はいいな、、、だって自分が馬鹿だって分からないんだろ!?もっと馬鹿だったら良かった、、、そうすればこんな思いをせずに済んだのに!」
高志の気持ちを考えると痛いほど感情移入しちゃって、思わず号泣してしまうシーンですね。
自分だけ死ぬつもりで佑矢をバスに乗せる高志であったが、佑矢がパニックになって高志を追ってくる。
真っ白い雪の情景の中に浮かび上がる気球、、、
そこで知り合った夫婦に気球に乗せてもらう高志と佑矢。
高い空からの景色に見とれる二人には、未来の希望が湧いてくるのであった。
ラストのあのシーンは「学校Ⅱ」の感動の名場面でしたね。

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■主なキャスト
青山竜平(西田敏行)
クラス担任。愛称は『竜先生』。生徒たちの気持ちを尊重したやり方で指導する。
緒方高志(吉岡秀隆)
軽度の知的障がいがある。中学生の頃のいじめにより傷つき無口で暗い性格になる。実習でクリーニング工場で働いていたが、自身の能力の低さと職場でのいじめで、竜平に「自分はもっとバカだったら良かった」等と不満を漏らした事がある。
久保佑矢(神戸浩)
重度障がいにより気持ちを上手く表現できず、すぐに暴れ、失禁や脱糞を繰り返しており、教師らも手を焼いている。ある出来事から高志を「お兄ちゃん」と慕う。
小林大輔(永瀬正敏)
若い新米教師。重い障害のある佑矢の担当。佑矢との関係が上手く築けずに悩む。短気で気性が荒い性格。その為、暴れたり失禁や脱糞を繰り返す佑矢に暴行を加えた事がある。
北川玲子(いしだあゆみ)
竜平のクラスの補助的な教師を担当。生徒たちに精一杯の愛情を持って支える。