「ケビン・ミラー」問題を覚えているだろうか?
あれは、2003年のオフの事だった。
フロリダ・マーリンズで活躍していた現役メジャーリーガーの「ケビン・ミラー」を中日ドラゴンズが2年660万ドルで獲得すると発表した。
当時の為替レートはわからないが、およそ7億円といったところだろうか。
現役バリバリの大物メジャーリーガーということで、当時でも中日としては、かなり高額な思い切った契約だったと思う。
中日ファンとしては、こんなすごい選手を獲得できたということで、かなり興奮したことを覚えている。
前年のフロリダ・マーリンズでの成績は126試合出場で、打率.306 16本塁打 57打点の現役バリバリのメジャーリーガーである!その時点でのメジャー通算5年間で通算500試合出場、打率.296 59本塁打 259打点という堂々たる成績。
年齢的にもそれほどいっていないし、どれだけの活躍をするのだろうとかなり期待したものだ。
ところが、、、である!
ボストン・レッドソックスが横槍を入れてきたのだ!
一応ウェーバーを通しているのでルール的には間違ってはいないというのだが、先に中日と契約している以上おかしな話である。
ボストン・レッドソックスは 中日が払った契約金を全て持つといい、ケビンミラーとの契約を無効にしてほしいと言ってきたのである。
最初はケビン・ミラー側も その申し出を拒否していたのだが、やはりメジャーリーグでプレーしたいという思いがあったのか、名門のボストンレッドソックスでやりたいと思ったのか、なんとレッドソックスと契約してしまったのである。
心変わりした、、、では済まされない問題だと思う!
コケにされたのは中日側である。期待して来ると思っていた選手が来なくなるということで本音としては”ないがしろ”である
一応、ルールとしてはウェーバーにかけられた選手は、メジャーの球団が手を挙げれば獲得できるルールではある。
しかしそれは形式上マーリンズが 行なった措置であって、そこに横槍を入れることは 紳士協定に反する行為である。
ミラーもミラーだ!レッドソックスがおそらく中日よりも好条件の年俸を提示したものと思われるが 、それをひっくり返してしまうということは人間性を疑われても仕方ない行為である。
事実、ケビン・ミラーは翌年ボストンレッドソックスで結構活躍し、何事もなかったかのようにシレっとプレーしていた。
中日ファンとしては余計に悔しい、、、
ボストン・レッドソックスとしてはケビン・ミラーという計算できる選手をFAでもなくトレードでもなく、何の出血もなく普通に獲得できてしまったということになる。(通常はウェーバーにかけるということは戦力外の選手といった意味合いがある)
普通はウェーバーにかけられるような選手ではないのだ。
簡単に言えばルールの隙を突かれ、 レッドソックスに横取りされてしまったと言う馬鹿馬鹿しい事の顛末であった。
中日ファンとしては、思い出すと今でもモヤモヤしたような複雑な気持ちになるのである。
まあ、こんな事をするような選手なので、仮に中日でプレーしてもサボりとか問題を起こすとか、日本野球に対応できずに途中で退団するというのがオチだったかもしれないのだが。