1962年公開の手塚治虫による実験的作品。
こんな斬新な表現方法があったのかと驚かされる叙情性に富んだメルヘンチックな隠れた名作映画です!!
【ある街角の物語】
街角に貼られたポスターと、クマのぬいぐるみを友達にしている女の子、さらに街灯やその光に誘われる一匹のイタズラな蛾。そんなひとつの街角に存在する生物、無生物のそれぞれのドラマを交錯させながら、そのすべてが戦火に巻き込まれて悲劇的なクライマックスを迎える、という「ストーリー」ではなく「感情」をこそ語るプライベート・アニメーションです。大手企業のための作品でフラストレーションのたまっていた手塚治虫が、自分の作りたいアニメを自分で確認するために作った、ひとつのエチュードといえるでしょう。壁に貼られたポスターにさえ、生き生きとしたドラマを演じさせる。それがアニメーションというものの魔法だと、この作品は改めて教えてくれます。
出典 ある街角の物語:アニメ・映像wiki:TezukaOsamu.net(JP) 手塚治虫 公式サイト
原案、構成、製作:手塚治虫
演出:山本暎一、坂本雄作
音楽:高井達雄
美術:新井亮
原画:山本暎一、坂本雄作、紺野修司、杉井儀三郎、石井元明、中村和子
動画:林重行、山本繁、桜井百合緒、野木行雄、沼本清海、三浦津菜子、光山勝治
【ストーリー】
何処かの国の街角、その壁に貼られた無数のポスター。
ポスターの青年バイオリニストとピアニストの少女との清らかな恋。
平和な街にやがて、戦火が迫り、愛し合う2枚のポスターは、爆撃の火災の中に、共に燃え尽きながら結ばれる。
彼等を巡って、ネズミの一家、老いたプラタナス、消えかかりの街灯、ひねくれ者の蛾、街角の屋根裏に住む少女とぬいぐるみの熊、そして、街を覆いつくす独裁者のポスター等が、入り乱れ巧みにかみ合いながら、物語の大きなクライマックスに進んで行く。
出典 奈津子の徒然雑記帳 |「ある街角の物語」
1962年当時の絵柄って感じですが、逆になんか洒落ていて斬新に映りますね。
ポスターの描写なんかは、外国のひとコマ漫画を思わせる面白味があります。
ある街角の物語
とある街角のささやかな幸せに満ちた情景を覆い隠す戦争の影を描く、ヒューマニズム作品。いわゆる手塚治虫実験アニメーション第1作。第17回毎日映画コンクール・第1回大藤信郎賞、第17回芸術祭奨励賞ほか受賞多数。
出典 ある街角の物語: 感想(評価/レビュー)[アニメ]
台詞もなく淡々と進んでいく感じですが、すべてのキャラクターが生き生きと描かれ、一篇の名画のような美しさを感じますね!!
「反戦」へのメッセージ性も感じることができます。
虫プロ制作の第一作目。1962年に『鉄腕アトム』第一話と共に公開される。DVD「手塚治虫 実験アニメーション作品集」収録作品のひとつ。上映時間はおよそ38分。街角のポスター群・窓辺の少女とぬいぐるみ・ねずみの親子・蛾と電燈・街路樹と種子、複数の主体を通して、平時から戦時への時代の移り変わりを描いていており、最後は生き延びた少女と種子の芽吹きで次世代への祈りを表現している様でした。また無生物を擬人化する技法はアンデルセンの「スズの兵隊」みたいな感じで、叙情性豊か。ラストで初めて向かい合う2枚のポスターがとてもロマンティックでした。
出典 ある街角の物語: 感想(評価/レビュー)[アニメ]
後の手塚作品とは大きく異なるメルヘンタッチのキャラクターは、輪郭線を排した斬新な作画が、独特の効果を上げている。また、最後に登場する5段マルチ(!)や、少女が燃え残った熊のぬいぐるみを抱きあげるシーンでの大胆な構図転換など、斬新な映像表現の数々も見逃せない。
出典 ある街角の物語: 感想(評価/レビュー)[アニメ]
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